一言書評 〜浦沢直樹作品の感想〜


もうひとつのMONSTER(2002/07/27)

 やはり浦沢作品の最高傑作と言って申し分無い「MONSTER」。コミック版のラストに大いなる謎を残したままで、不完全燃焼で納得行かなかったこの作品でしたが、この「もうひとつのMONSTER」を読み終わってみた後では、謎が残ってこそこの作品本来の怖さがある、と認識した次第でありました。

 それにしても、さらに奥が深い!!コミック版もかなり練られていましたが、副読本のこれがまた凄い!!正直言って、コミック版だけで納得してちゃダメです。この「もうひとつの」まで読んで初めて「MONSTER」の全体像が朧気ながら見えてくる気がする、というところまで辿り着けます。やはり読むべきですよ!これは!!

 はっきり言って、私の中でもまだ纏め切れていません、この作品。一度関係図を描いてみないと、頭の中でごちゃごちゃになったままになってしまい、すっきりしません。但しこの作業、やたらと時間が掛かりそうなので、時間を掛けてやってみたいと思います。そのためにコミックス全18巻となまえのないかいぶつを発掘していつでも読める体制にしました。あとは時間が許せば、ですな。

 深まった謎。ヨハンという名前。アンナという名前。チェコとドイツのハーフ。双子の妹。クラウス・ポッペとその父テルナー・ポッペ。エミル・シェーベとなまえのないかいぶつ。ヘルマン・フュアーとめざめるかいぶつ。ウィリアム・バーゲルドと超人シュタイナー。フリッツ・ヴァインドラーと闇のドルン。これでもかと思わせるほど入り組んでいながら、どこかで必ず繋がってくるキーワードと人物・作品。やっぱり樹形図にしないとダメでしょうね^^;。明確になったときにこそ、語り合いましょうぞ!!


MASTERキートン(98/10/05)

 オープニングから音楽が幻想的でいいですね〜^^。作画も原作に実に忠実なのでGoodです♪(^^) 考古学の先生にして、元SASのサバイバル教官、そして保険のオプ…いろんな要素がつまっていて、どっからでもとっつける浦沢作品の秀作のアニメ化です(^^)。

 最近のコミック原作アニメ化作品って、独自色がかなり強くなって別作品のようになってしまって、そこが面白かったりちょっと残念だったりするのですが、このキートンは良くも悪くも原作そのもの。まったくアニメらしくないというのも妙なものですが、近年見られるようになった 声優人気アニメ や ビジュアル系アニメ などと一線を画していて、内容・メッセージ重視の素晴らしい作品だと思います^^。原作と併せてお奨めします♪(^^)