ガサラキを送り出したサンライズが送る衝撃の問題作「無限のリヴァイアス」についての感想をまとめました。
無限のリヴァイアス(26)あした(2000/04/01)
昔を振り返る回想シーンは、どんなときに浮かぶものか。AD2226。リヴァイアスが起こした事件は、半年後の今何事もなかったかのように昔語りに語られる。こんな後日譚が待ち受けてる作品だったのか。何事もない平和な一日。誰もが望んだ平和。戦闘のない毎日。。。
しかしそれをぶち壊す未来への期待感。S-fixたるネーヤと同調できる存在。ヴァイアを制御することが人類の未来を救う。その言葉にやはり動かされてしまう自分がいる。大人のエゴだとわかっていても、それを救わざるを得なくなり、世界や社会を考えていく子供達。やっぱりガンダムパイロットに通ずるところのあるたくさんの主人公達。きっと未来は明るく開ける。この子供達が真っ直ぐでありつづければ。
「無理すんなよ。人一人の力なんて、たかが知れてる。おれたちにできることを、おれたちなりにやればいいじゃないか。掴むのは未来じゃなくて、明日でいい。それで十分だと、おれは思うけど。」昴治の語るその言葉は、この作品のメッセージを伝える。あわてなくていいから、真っ直ぐにゆっくりと頑張っていってほしい。アニメ世代の子供達に送る、それがリヴァイアスからのメッセージだ。これを受け取り、考えることで、未来の第一歩である明日を、しっかりと生きていってほしい。そう思う。
それぞれの想いを乗せて、リヴァイアスは再び天王星へと向かう。ネーヤが笑顔でかざす両手。その笑顔が続く限り、子供達は明日を見誤らない。まずは一幕終了。CDドラマや他メディアも追いかけてみたい。
無限のリヴァイアス(25)おれであるために(2000/03/25)
ヴァイタル・ガーダー同士の戦闘は凄絶を極める。リヴァイアスの乗員が全て子供であることを再認識したとき、大人達は何を思うか。黒のリヴァイアスは徐々に沈降を始める。こうじの、そしてネーヤの意志が伝わる時が来るのか…。そして窮地に現れたエアーズ・ブルーは、今自分のすべきことを諭す。いつでも、自分であるために。こうじであるために、ゆうきであるために、ブルーであるために、おれがおれであるために。黒のヴァイタル・ガーダーは、やはり消え去る運命にあるのか…。
祐希の想いが、怒りが、誰よりも燃え上がったとき、2体のヴァイタル・ガーダーは光と消える。ネーヤの正体と、イクミの理想・信念、そして昴治の決意とぶつかり合いが、ひとつの終焉の形を見出す。今の自分は、過去の積み重ね。それがわかったとき、ニードル・ガンを持つ存在の最後の迷いは断ち切られた。そう、断ち切られたのは過去ではなく、未来へと繋がる間違った現在だった。今、全てが終わりを告げようとしている。
無限のリヴァイアス(24)あいばこうじ(2000/03/19)
祐希が思い悩み、あおいが泣き、ネーヤが叫ぶ。死にたくない。この終盤になって、昴治の命は何を物語るのか。ネーヤに似て非なる存在、コンラッドはそれで何を求めるのか。頼みの綱は謎のクリフとチャーリー、そして怯えるイクミはこずえに縋る。何かを常に求めて、自分に足りない、そして絶対に必要なものを求めて、子供達は最後の戦いへと赴く。その先に光が見えるのか、それは誰にもわからないが…。
それぞれの戦い。ヴァイタル・ガーダーもクリフも昴治も、死にたくないから生きようとした。ヘイガーの理性さえ吹き飛ぶ現実らしからぬ現象。不敵に微笑む灰のゲシュペンスト。ヴァイア艦の真の姿が現れ、遂にリヴァイアスも未曾有の戦いへと突き進むのか。昴治の命も危うい中、勝ち目のない戦へと飛び立つヴァイタル・ガーダー。求めていた未来は、思いの強さのみが勝ち取る。灰と黒の対決は、双方の意志のぶつかり合い。どちらの意志が強靱かで、勝敗は決するはずだ。
無限のリヴァイアス フィルムブック(上)(2000/03/12)
リヴァイアスの謎を補完してくれる私には嬉しい形のフィルムブックが登場♪早速読破した次第です^^。全26話、そのうち12話までのダイジェストと、キャラの紹介がメイン、脚注のコメントも見逃せません^^。しっかし名前有りキャラが多すぎる! キャラ紹介だけでも43人!! 覚えるのに苦労しますね(笑) そしてリヴァイアスで旅する少年少女総勢487名!? もうどうとでもしてくれって感じです^^;。
オープニング映像の謎、登場人物の謎、黒のリヴァイアスの謎、などなど謎だらけで未だ明確になってないのも多数存在! 残すところあと3話のリヴァイアスですが、恐らく最終話まで謎は深まるばかりでしょう^^;。このフィルムブック片手にまた謎を深く見つめつつ、少年少女の行く末を見守りたいと思います。
無限のリヴァイアス(23)ちぎれたかこ(2000/03/11)
ヴァイタル・ガーダーの戦闘は、どこか空しく悲しい。それは少年達の強がりであり、混迷の中で喘ぐ一撃だからである。こんな示威行為をされても、虚しさはさらに広がっていくばかりである。次にどうしたらいいのか。それをまず考えなければならないはずなのに。
秩序は必要。絶対的な差別は平和を生むか。能力別のランクはさらなる混乱を生む。最低ランクで暮らす人々は、上位ランクで暮らす人々は、それぞれの悩みを持ち始める。ランクを決めた人間への怨みも募るであろう。そんなことが平和を生むものか。抑圧することはやがて反発を生むことに繋がる。光は、見えてくるのだろうか。
ネーヤとの語らいは、自己の深層心理が示す解答。出口を見つけるべくリヴァイアスが起こす現象。締め付けを厳しくすることで解決するものでもない。力に対抗するには、やはり力を示すしかないのか。システムの意志を裏切ることは、絶対の悪なのか。メガゾーンの過ちは繰り返されるのか。ネーヤの語る真実が、徐々に人々の心を解放へと導く。
無限のリヴァイアス(22)いきのこるために(2000/03/04)
ネーヤが見つめる心の色。喜び、悲しみ、怒り、憂い、不満、快楽、表層、希望、絶望、欲望、激情、殺意、恍惚、嫉妬、歓喜、妬み、悲嘆、望み…。たくさんの人が集まる場所には、数多の感情が渦巻く。人は感情の動物だから。感情を処理できない人類はゴミだとザビーネ・シャルは言った。感情のままに行動することは正しいことだとヒイロ・ユイは教えられ、その言葉のままに生きた。どちらが大事なのか。どちらも大事なのか。同じ場所に集う人間が増えれば増えるほどわからなくなっていく。ゆえに人間社会の人付き合いは難しいのだ。リヴァイアスの意思は、ひとつになることがあるのだろうか。その日はやってくるのだろうか。
戦いは、一時的に心をひとつにする。そうしなければ生きていけないからだ。ひとつの敵と戦うことで、仲間の結束は固まる。共通の敵を持つことは、ある意味心をひとつにすることに役立つように見える。でも敵を、理解できない存在を作ることが、果たして良きことなのか。そうして小さな仲間意識にこだわり、敵を作り続けてその仲間内だけを安泰にすることは、どのような結果を生むのか。仲間から外れた敵視された存在は、より多くの人間のために犠牲となるべきなのか。これに答えを導き出せるほど、まだ人は大きくはない。いずれ、その敵味方すらも越えてわかりあえるときが来ることを信じて、人は未来を生きていくのだろう。語られるリヴァイアスの真実の裏側。子供達の決断は大人に何を見せるのか。
無限のリヴァイアス(21)あしたなんかいらない(2000/02/27)
尾瀬イクミの心の叫びは、これだけの人間が居る中では受け取られ方も様々。まともに受け取る人間もいれば、嘲笑い相手にしない人間もいる。秩序を求め、この行為を利用する人間もいるので、事態は好転し然るべき方向へと進んでいく。変わっていく子供達、変わって行かざるを得ない人間。極限の宇宙空間で少年達の採るべき行動は?
新しい秩序は、合理的ではあっても人間的ではない。情の通わない社会。激情が無くなり暴力が無くなると同時に、同情が消え去ることで相手を思いやれなくなる。事件は起こらず何も出来ずに流されていく。過去と未来、どちらを採るべきかは明白であっても、心の死んだ未来を生き続ける苦痛は、地獄へと続く道なのではないか。心の荒んだ世界では、正気を保つことが難しい。現実を受け入れる勇気は、持ち続けることこそ難しい。この先どんな世界が待ち受けるのか、それは誰にもわからない。過去に縋り未来を否定することが、今出来る精一杯の抵抗…。
無限のリヴァイアス(20)ゆずれないもの(2000/02/19)
他人が信じられず、少年は激昂する。なんでお前達は当たり前のことができないんだ。人が当たり前のことをできなくなったとき、そんな状況に追い込まれたとき、指導者の、道を示す者の力量が試される。人は弱く、脆い。置かれた状況に耐えきれなくなることもある。選ばれた民=特権階級は、指導する絶対者は、やはりそこまでを考えなければ、人を導くことはできないだろう。
初めて語られたリーベ・デルタから始まる物語のあらすじは、途中から見てきた私には嬉しかった^^。どんどん辛い状況に追い込まれていく少年達・少女達は、いろんな人の気持ちを考える必要がある。そんな中でお互いがわかりあえないと、不理解は募る。そしてこの先どうなるか誰にもわからない不安感は拭い去れない。誰もがその不安に耐えきれなくなる。心の旅はいつ果てるともなく続いていく。悩み、苦しみ、それをひとつずつ解決していくことで、先はきっと見えてくるだろう。そう思う。
嫌なことを忘れるには、過去を断ち切るしかない。自らの手で。躊躇や不安が決意を鈍らせる。物事を割り切ることで前へ進めるのなら、そうするのが良いとわかっていても、出来ない性格というものもある。煮え切らない態度は、他人を不幸にする。自分をも不幸にする。大人が居ないから歯止めが利かなくなってる。子供の不安に歯止めを掛けるには、どうすることが良いのか。感情を制御することの出来る選ばれた者のみが成し得るのでは? 過去と向き合うことでそれをしようとする少年。 暴走はさらなる混乱を生む。 道は開けるだろうか…。
無限のリヴァイアス(19)えがおできみと(2000/02/12)
「dis-」の意味がわかった気がする。英語の接頭語で否定を意味するあの「dis-」だ。歌詞も、作品世界も、やはり否定するところから始まっている気がする。さて悲しみに暮れる少年の未来はどこに…?
亀裂は徐々に広がり、関わればそこに新たな亀裂も生まれていく。触れてあげないことは思いやりなのか。何もできない無力さを知ることで、一人の力の限界を知ることで、わかってくることもある。痛すぎる正論は傷ついた心を抉る。小さく纏まらずに強く生き抜くこと、それが出来る人間が未来を掴む? それでも一人では、自分に出来る精一杯をやっていくしかないんだ。
わかるわけない。わかってないのにわかろうとしてるのがずるい。否定の否定は肯定にはならず、全てを否定して殻に閉じこもる自分がいる。悲しみに暮れているだけじゃ前には進めないのに。自暴自棄は何も生まず、明日が見えない今の状況が暴力に訴えさせる。何もしねぇで文句ばっか言ってるのは死んでるのと同じだ。独りで全てをやり抜こうとする人間の名文句。いろんな人がいて、いろんな意見を聞くことが出来る。それで出口が見えてくることもある。自分にとっての最優先を探し求めて彷徨う少年。みんなのために出来ることは?今しなきゃいけないことは?今自分がしたいことはなんだ?感情のままに生きることは正しいことだとヒイロは学んだ。そして実践することがいつも血路を開く。Wの世界の強い意志を持った少年達がいないことが致命的ではあるけれど、それでも迷いながらこのメンバーで生きて行くしかない。そのとき、ネーヤが望むものは?
無限のリヴァイアス(18)わかりあえない(2000/02/06)
突然訪れた災厄は、リヴァイアスをも凌駕する力を有する。少年達の採るべき道はどこに?指示よりも直感。そこに血路を見出すこともある。そんな判断力が、指導者には要求されるものだ。それが難しいからこそ、困難にぶち当たる。状況を把握し、的確な行動を採ることの難しさ。それでもリヴァイアスは前へ進むしかない。日常の戦争は、いつもこうして訪れる。死も同等に訪れる。そして混乱は広がっていく。どうしようもない現実。どうしようもない世界。生きる術は?ブルーは何を考える?
感情のままに叫んでいてはだめ。冷静に、しかし情熱のままに、生きることの大切さを問いかけ、突破に賭けるヴァイタル・ガーダー。自分のことしか考えない大衆は、こんなとき自分勝手に振る舞うことしか出来ない。それが悪なのではなく、そんな状況を作ってしまう組織こそが悪なのだが。少女の観たたくさんの人の“想い”は、幸せの欠片。それでも私は生き続ける。その想いが、生き抜く者の明日を決める。小さな英雄は、つかの間感謝を受ける。明日はどうなるかわからないが、今を微笑むことの出来る心が、明日を生きる資格なんだろう、きっと。ブルーを見た真実を語れず、誤解されることを選んだ少年が、理解を得る日は訪れるのだろうか。
無限のリヴァイアス(17)じゆうなちつじょ(2000/01/29)
この世界にも何やら怪しげな会議を催すじいさんSがいた。ゼーレよろしく、誰が何をどう考えているやら。そんなことも関係ない。リヴァイアスは今日も宇宙を彷徨う。兄弟の諍い。何処にでもある風景。しかし彼らはリヴァイアスの明日をも左右する者。人並みではいけないのかな? そして自分を捜し求めるブルーは、少女に何を見たのか? 参謀タイプの人間。私もそうだ。自分のいうことに人は従わないが、指導すべき人間に道を示すことができる。それがやがて世界をより良き方向へ導くと信じたいタイプ。どこの組織でも重要な人材だ。それがわかれば、或いは明日は見えてくる…? 自分が置かれた状況が、次々と突き付けられる冷たい現実が、他人に辛く当たることをさせる。人はどうあるべきか。難しい命題である。
突然与えられた重すぎる責任。いきなり全てを取り仕切れるほど、人は柔軟ではないし万能ではない。お互いのフォローというのは、人が集まるところでは常に考えてほしい。そうしないと諍いが起こり、組織には寒い空気が漂う。その先に未来が見えるならば、争うがいい。不毛なケンカなら早めに切り上げることだ。その判断が常に冷静に出来るなら、人付き合いに苦労はない。カッとなって当たることの多い私に対する諫言ですな。自制しよう。
今は協力して生き残ること。それが全て。状況によって考え方を変えなければならない。それがどんな立場の人間であったとしても。それが、明日を生き抜くのに、身につけなければならない考え方だ。感情を制御することが、今の世の中では最も重要なようだ。
無限のリヴァイアス(16)ゆがむせかい(2000/01/22)
本編よりも先に“0083”のCMにアツくなってしまった^^。ガトーはやっぱ良い!…って、本編が始まってる…^^;。
リヴァイアスを制御する“ツヴァイ”という特別階級。訪れた“変革”。リヴァイアスの世界観が垣間見えるセリフだ。革命は起きる。いついかなる時にも。ブルーは何を求め、行動するのか。仲間というのは、本来どういったものなのか。そう問い掛けるような、もめ事と、争い事と。これだけの人数、これだけの個性、これだけの考え方。それが錯綜する中、リヴァイアスは何事もないように宇宙を行く。
遂に発見された謎の少女は、リヴァイアスにとってどのような存在なのか。訪れた艦内の改革。フリーポイントを廃し、平等を印象づける。それは、この先子供達を意識変革へと導くのか。今自分に出来ること、それを考え行動することが、今最善であると信じる。様々な想いがかけめぐり、自分の立つ位置をも惑わせる。ブルーと少女の邂逅は、未来への道を照らすのか。そして自分の意志で、確実な一歩を踏み締める昴治。自由な秩序は何を生む…?
無限のリヴァイアス(15)ながされるままに(2000/01/15)
ヴァイタル・ガーダーのこの姿を見てると、『エヴァっぽい』っていう声が理解できる。子供達が自ら進んで戦っていることを除けば。時折現れる少女の幻想が何を暗示しているのか、それがこの作品の不思議さであり、魅力なのかもな。生き続けることは苦しいこと。それを知った上で頑張っていこうとする子供達。何が敵なのか味方なのか。羊水の中に浮かぶ“モノ”は一体…。
ガキの祭は終わった、遊びはここまでだ。冷たく言い放つエアーズ・ブルーも、完璧なようでいて脆い部分もある。こういうキャラにハマる私は、わからないなりにこの物語を見届けてみたいと思い続けている。
無限のリヴァイアス(14)いしきしすぎ(2000/01/05)
面白いとの噂を聞きつけて、早速見始めたサンライズの新作リヴァイアス。今回が2回目。ファーストインプレッションでは、ガサラキやlainのように、よくわからないけど、わからないところが面白い、そこから面白さを見つけだすのが楽しみになる、そんな内容なのかな?ってとこ。大所帯の子供たちが宇宙を旅し、それぞれに物語が展開する様は、英雄譚でも登場するバイファムに似てるトコがあるかなぁ?とかも思ったりして^^。
能力に合わせた「ポイント制」による配給。それが当たり前になっている世の中。でも現実として年俸制を採用しているところもある。能力主義である方が、戦時下では有効なのかも知れない。平和に慣れきった現代に、それは警告なのかも知れない。しかも、それを少年少女が実践しているという…。リヴァイアスという名の運命共同体、この先辿り着くのは、どんな未来なのか。
まだ語れるほどに内容飲み込めてませんが^^;、ヴァイタル・ガーダーがどんなシステムで動いてるかが気になりますな^^。次回も続けて見てみましょ^^。