一言書評 〜碧也ぴんく作品の感想〜


ぴんくの王国
漫画家・碧也ぴんく先生の作品の感想です。
ページにもすぐ飛べますので是非行ってみて下さいね^^。


Shiranami〜白浪〜(1)(99/10/31)

 待ちに待った鬼外カルテの新作、買い始めてから初の発売直後購入巻です♪ 思い返せば私がぴんくの王国に入国するようになって、まだ鬼外知らない頃に^^;、この白浪のおかしら話題で盛り上がってたんですよね〜。初めてしっかり読み込んでみて、まさに同感! 格好いいですわ、おかしら^^。人外でありながら、人以上に人間らしく生き抜く。ハンパは一番格好悪い。自分の正義を貫いてこそそこに誇りが生まれる。いつの時代も、人はかくありたいものですなぁ(^ー^)。

 因みに私が伝言板の噂を聞き、初めて鬼外をウィングスにてちらっと立ち読みしたのもこの白浪だった。この白浪が無かったら読み始めなかったかも知れないという程の、私の中の鬼外シリーズ原点であります^^。完結まで読み終えてない現時点でのランクとしては、私は「花雪」を一押しにしてるのですが、まあまず間違いなく、「白浪」が一番となることでしょう^^。もちろんまだまだ続くお話です。しっかりと見続けていくこととしましょう^^。


なつゆき姫(99/06/11)

 続いての5作目は、今度は最初っから鬼外が絡む、イメージ・ストーリー展開的には、1作目の「水中童子」に近いかな?^^ 読み始めたときは、ゆきめのこのしゃべりかたがどうにも慣れなかったのですが^^;、読んでいくうちに廻とシンクロしてきたのか^^;、次第に言葉の中に「あったかさ」を感じるようになりました。少しずつ心を開いて、泣いたり笑ったりの感情を表現してくれるようになった廻、母親の本当の想いを知って、涙の中で決心を固めていったゆきめ…。想いを捨てずに生き抜く強さの中に、幸せを見つけることができた二人は、本当に幸せだったのだろう。たとえそれで人生が短くなったとしても、後悔しない生き方を選ぶ。物語の結末は、読者それぞれに委ねられたのでしょうか?続きがすっごく気になる終わり方でした。紫陽花の咲く頃、二人の命はきっと力強く、そして綺麗な花を咲かせるでしょうね^^。

 もうひとつの天邪鬼のお話第2弾は^^、現代的で今風の雰囲気、そして想いが伝わってくる。きっかけはどうあれ、二人はお互いに何度かの言葉の・心のキャッチボールをすることで、幸せな気分になれたはず。この出逢いも、そして別れも、二人にとっては今後の人生にプラスになる、そんなひとときだったと思う。がんばってほしいな^^。

 鬼外カルテでは、その作品ごとの主人公や鬼外たちの語りかけ以上に、王様の生の声・想いというものがあとがきでさらに伝わってくる。ネットからの影響で読み始めた作品は多いですが、碧也ぴんくという方はほんとにすごい人だなぁと、作品を読むたびに再認識しております。王国へ足を踏み入れたものとしては、新作にももちろん期待をしつつ、また折を見て鬼外や八犬伝の再読にも心掛けようと思ってます^^。


1/2One-half(99/06/11)

 鬼外先生の4作目は、これまた鬼外も弁天も虚空族も妖異族も絡んで無いかのような展開で淡々と進んでいきました。終盤にさしかかったとこのどんでん返しで、「あ、こういうことか。そう言えば…」という感じの雰囲気で^^;。

 様々な立場の、様々な人の想いが交錯する中に、ぽっと突然飛び込んでしまったゴロ/としやん。誰も皆、様々な形の分かれ道にさしかかり、人生の選択を迫られる時がある。信じられないほどのギャップがある二つの人生を目の前に、それを一度に体験しながら、悩み傷つき、また周囲の人たちを傷つけながら、ようやく自分の探していた「本望」というものに辿り着いた。知らぬ間に、自分のせいで人を傷つけていたとしても、それでも最後には自分の想いのままの生き方を見つけた「わんこーズ」と、彼らとすれ違っていったいくつかの想いと幸せへのもうひとつの人生…、すごいなぁと思いました。まだまだあとがきで王様が語るような、作品に込められた想い・メッセージを感じ取れるまでの域には達してませんね…。未熟だなぁ、ほんと^^;。精進しよう!

 ゴロ/としやんは、結局鬼外や弁天、そして足軽の相棒とは会うことはなかったけど、それで何が変わるものでもない。足軽の複雑な想いは伝わらなくとも、二人で「天下を取ろう!」と誓った想いは変わらない。鬼外のように、いつまでも見守っていたいですね^^。


花も雪もきっと…(99/05/02)

 鬼外先生はじめ、現代の主人公たちはほとんど出てこない、昔語りに徹した形で登場しました鬼外カルテのシリーズ第参弾です^^。水中童子ではちょこっとだけ登場してただけのビィが主役とのことで、どんなお話になるんだろう?と期待してましたが、やっぱり今回も感動的でしたねー。

 江戸時代が舞台ということも、八犬伝から入った私にはうれしかった^^。ほんとぴんく陛下は時代小説などがお好きなようですね〜^^。忠臣蔵は私も何度かテレビでは観てますし、大忠臣蔵も好きだったりします!(^^) そういえば今やってる大河ドラマ・元禄繚乱も忠臣蔵の内容でしたねー。十郎左は出てるのかしらん?^^実話もかなり取り入れられてるとのことで、参考文献集もオドロキでした^^;。さすが本格的ですね〜^^。

 今回も鬼外シリーズらしく(?)切なく悲しいお話でした。登場した全てのキャラが、自分の想いに殉じて生き抜いたという、この時代ならではの生き方なんでしょうけど、とにかく悲しかった。十郎左が語った「誰も他人のためだけになんか生きられない、自分がしたいからそうするんだ」っという言葉が、この作品の全てを物語ってくれてると思いました。雨も十郎左も、雲も風も天も、星も田中も、浅野の殿様も赤穂の浪士も、みんな自分の想いに従って生き抜いた。立派だった。秀はどうなったのかな?ちょっと気になるとこです。きっと最後まで強く生き抜いたことでしょうね^^。

 今と変わらぬ姿の鬼外先生と弁天君。ほんとにちょこっとだけの登場でしたが、こうしてビィの今があるわけですね〜^^。ネーミングセンスはギャグなのか雨の心と想いを知ってのことなのか、多分後者だと思うのですが(違うか?^^;)それでもやっぱり懐の広さが感じられます^^。次もあまり間を置かずに読み進めたいと思います♪^^


Golden Child(99/05/02)

 ぴんく陛下の鬼外カルテ第弐弾です。予告通りの弁天の大活躍、めっちゃうれしかったです(^^)。そして思った通りのキャラクターで^^。まだまだ謎は多いですけどね〜。

 今回は悲しい座敷童子のお話。人が死ぬのはあたりまえ。花が散るのと同じこと。それを悲しむ人間の感情など理解できない。他人の思考が読める能力は、ときにいろんな悲劇を生みます。心に秘められた俗な感情を見つめ続ければ、他人への想いも、自分への感情も冷めたものになってくる…。でもそこで感じた、頭では理解できない「淋しさ」…。自分が本当に欲しいものは何なのか?それを探しながら生きていくことこそ、人生というものなんでしょうね。

 想いのままに生きる短い命と、どこかに心を残しながら長い時を生きる運命。忘れていくことは、長く生きて行くには大事なことだけど、そのひとつひとつが悲しみの、淋しさの積み重ねになる…。ぽっかりと空いた穴のような淋しさ…。それを作っていくことは、それは悲しいことなんだと思う。長い時を経て、巡り合えたかけがえのない存在を忘れずにいることを選んだとき、「思い」という形のない永遠を見つけられた童子。幸せを感じられる一瞬一瞬を大切に、短い命を生きられたらいいですね(^^)。

 この物語では、童子と実以上に、冒頭と後半に登場した遠山魁吏の人生観というのも並行して論じられている。彼の愛情もまた、表向きの振る舞いとは裏腹に、悲しいほど深かった。彼のその後の人生も気になるところですね。

 さてさて登場シーンは少ないものの、それでもしっかり美味しいとこだけ押さえている我らが鬼外先生^^。今回も弁天との掛け合いや、歴史を見届けてきたものとしての助言など、面白可笑しくしつつもしっかりと語って下さいました^^。良かったですよー、ほんとに! どんどんぴんく陛下の魅力に引き込まれていきます^^。続けてしっかりと読み続けていきたいと思います♪(^^)


水中童子(99/04/11)

 角川映画・里見八犬伝が好きでした。その後アニメ化・コミック化された「南総里見八犬伝」。アニメ版は結局見なかったのですが、メディアとしては常にコミックから入る私としては、すんなりと入れたのがコミック版「THE 八犬伝」。連載が始まった当初はOVAが非常に力を持ってて、ニュータイプ別冊「コミックGENKi」では同時進行でメディアミックスが展開されてました。他の作品は中断してしまったのも多かったのですが、「八犬伝」だけは他誌へ移って今尚大人気で継続連載中です。

 このコミック版の作者・碧也ぴんくさんの作品は、八犬伝以外は見てなかったのですが、ネット上で、あるいはオフで、いろんな作品の話を聞いたりしていて、買ってみよう!と思って今回購入したのが、この「鬼外カルテ」シリーズの第一作、水中童子です。鬼外シリーズは、今売りの「ウイングス」誌上で実際に読んでみて、私の持つ多数の作品世界に非常に近く、また好きな内容だな〜と感じたのがとっかかりですが、今後少しずつ読み進めてみたいと思っています^^。

 さて作品についてですが、人外の者たちそれぞれの悲しいエピソードと、人間以上に深い想い…人間の、弱い故に醜い部分が強調されて様々に邪魔されていく中で、それでも最後には「生きた証」へと辿り着いた河童ちゃんが健気でしたね。あとがきのぺぇじにしっかりと明記されているように、相手の想いをわかろうとする心・人外の者に限らず総ての存在(もちろん人間や自然も含めて)と共存していくための努力、というのは重要だと思います。これは普段の生活の中でも、ネット上での交流の中でも変わらずに言えることですね。そんなメッセージが、作品やあとがきの中から伝わってきます。次巻も続けて読んでみたいですね^^。

 それと作品世界はもちろんのこと、いつも必ずキャラの魅力にとりつかれてしまうのも新しい作品を知るときの楽しみだったりします♪(笑) いや〜、みんな魅力的なキャラなんですよね〜^^。人気が高いのも納得です!(^^)
 まずは今回あまり登場しなかったんですが、今後はまってしまう可能性大の「弁天」♪ どうも私はこのてのキャラを作品の中でまず探してしまうようですね^^;。
 それと当然ながら全ての物語を冷静に見つめ続け、それでいていざというときには頼りになるという、本当の意味での歴史の立会人「鬼外先生」♪ 私もこんなふうに生きてみたいっ!(^^)
 さらにいつも影から見守りつつ、悲しい過去を持つがゆえに、誰よりも優しく相談に乗ってくれる「テング」♪ 彼が居てこそ河童ちゃんは幸せになれたんじゃないかな?と思います(^^)

 っというわけで、またコミックとネットを融合させた私の趣味の世界にも、幅が広がり楽しみも増えました♪(^^) 国王様、今後も素敵な作品を楽しみにしてます^^。頑張って下さいね〜♪ 応援してます!(^^)