映画「バトル・ロワイアル」(2000/12/28)
暮れも押し迫った今日という日、観てきましたよ今世紀最後のバトル・エンターテインメント「バトル・ロワイアル」!異例のR指定で高校生が学生証見せながら券買ってるのが印象的でした。ほんとに多かったし学生。意外と混んでも居なくて隣の席に肘掛けながらゆったりと座って観れたのも、やはり親子連れだって見に来るような映画にしなかったからですかね〜?
700円で二冊同封のパンフでも、出演者が、あるいは観た人が、口を揃えて言うのはやはり、深作監督の凄さと、提示されたテーマの素晴らしさ、絶賛してます! 問題提起で終わらずに、自分探しや癒しを求めることに走らずに、武器を持って戦う強さが謳われている。いいですよ〜。ほんとにいい! 時間が過ぎるのがあっという間でしたよ! パンフでも皆さんがたくさん紹介されてたのですが、原作にない深作アレンジが山ほどありますので、原作しか読んでない人も必見です!是非今世紀中に!!
この作品、閉じ込められるってとこで未満都市なんかを思い起こしたりもしましたが(このページの一番下^^)、死んでいくのは同じでも、殺し合うっていう全く違った面があるわけで、そこが凄かったんだと思う。でもほとんどは、何とかみんなで生き残ろう!と思ってた子たちだったわけで、その中で一部に、恐怖のあまり、人を信じられなくなって、周りの友達を殺しちゃったりした子も居たんだよね。灯台の女の子たちも、ハッカー三村たちも、ほんとに残念だったなぁ。
でもどうしようもなかったと諦めざるを得ないのが、“あの”二人に遭遇してしまった可哀相な子たち。そう、“相馬光子”と“桐山和雄”だ!皆それぞれに自分のストーリーがあって、それぞれに生き・死んでいったわけだが、この二人はひたすら殺すために生きた。ここにも一つ、生き方というより死に方があるわけで、とにかく凄まじかった。他人の生きる希望を奪い去るという徹底した戦いぶり、そして死に様が凄かった…。とにかくこの映画の“凄い”点の一つは、やはりこの二人の存在でしょうな。安藤政信の殺し役は聖者の行進以来に観た気がする。今回の役柄も凄かったっす^^。次回作は仮面の忍者赤影だそうな。期待してみよう♪
さてさて、主役の方はと言えば、
七原秋也(藤原竜也)…JAC直伝スタント無し!よくがんばった!
中川典子(前田亜季)…とにかく可愛かった!(笑)やっぱりよくがんばったよ♪
川田章吾(山本太郎)…頼もしくて頼り甲斐あった!貫禄勝利♪現代の矢作省吾!(誤爆)
千草貴子(栗山千明)…最期がほんと感動的!魅せてくれました!
キタノ (北野武) …一言、よかった!やはり武にしか出来ない役だった!
ハッカー三村と仲間たち…惜しかった!本当にあのハッキングと爆弾は凄かったぞ!!
とまあこんなとこかな? その他見所として、可愛かった女の子は(爆)毒盛った女の子で、演技含めて良かったのは灯台で秋也を看病してた子かな^^。もちろんロフトやゲームショウで何度かお会いしてる早矢加ちゃんの演技もポイント☆(すぐ死んじゃったけど^^;カマで…^^;)あとは、声の友情出演(笑)で前田亜季のお姉さん前田愛が(姉妹プチ共演?^^)、ルール説明ビデオのお姉さんでみやむーが(何故?^^;妙に現実感無くて、逆にリアリティあって良かったが^^;)、などなど楽しい隠れキャラ(?)も居たりしますので、探してみるのも良いでしょう♪ とにかく話題満載話題集中絶対必見オススメです☆ (にしても、みんな「どの武器ほしい?」インタビューで「ウージー」って…。みんな桐山になりたいのね…撃)
メディアとしては、この深作版映画の他にも、当然ながら原作小説、それとコミック版も出てるのですが、小説はやたら分厚くて手が出ず^^;コミックはまだまだ始まったばかりで長そうなので買う気にならず^^;、やはり深作アレンジのエッセンスが凝縮されたこの映画版を一押しにしておきましょう!
さて、ここらで終わるのが今や世に山ほどある「バトロワ評」といったところでしょう。でもね、やはり私が語るのならば欠かせないことがあるわけだ。
中学生がある日突然殺し合いの最中に叩き込まれ、生き残るために人を殺し、生き延びていく…? 大人たちへの警告を発し続ける…? 遂には皆殺し…? そのような話なら、ガンダムをはじめとする諸作品が、既に20年も前から繰り返し続けてることですよ^^。F91やVガンあたりが近いかも知れませぬな。アニメ、SFという要素を取っ払ってまるっきり現代に舞台を持ってくると、こんな感じにもなりましょうか? どこがどうとは言えないくらい小さな点だったりもしますが、ほんと今まで観てきたガンダムや他の諸作品(スプリガン、ARMS、3×3とかも?)のエッセンスが散りばめられてる気がしますね。
本腰入れてここまでR指定だなんだと騒がれたのは、「所詮アニメだから」的な軽んじられ方が無かったからだし、その意味バトロワ的作品はいくらでもあるわけで、「世界の巨匠」のネームバリューがあって初めて真剣に論議し出すという辺り、「これだから大人って奴はっ…!」と、省吾やジュドーのように叫びたくなりますね。いろんな意味で注目して欲しいこの作品「バトロワ」は、コミック・アニメ文化と現代文化(と言われてるやつ)の橋渡しになってくれるかも知れない。21世紀、この辺りの文化マップはどうなっていくでしょうか?それを占う意味でも、やはり20世紀末を代表する問題作として、ピックアップしておきたい作品です^^。